この記事でわかること
- 市場連動プランがどういう仕組みか
- 向いている会社・向いていない会社の分かれ目
- 私が「おすすめしません」と言うのはどんなときか
私が扱っているプランの主力は、市場連動型です。得意分野でもあります。
でも、全員におすすめできるプランではありません。ここは最初にはっきり書いておきます。
営業を受けたときに、メリットしか説明されなかったなら、それは片手落ちです。判断できるように、仕組みから書きます。
市場連動プランとは何か
電気の単価が、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動して決まるプランです。
従来の固定単価プランは、契約時に「1kWhあたり◯円」が決まっていて、基本的に変わりません。市場連動型は、30分ごとに決まる市場価格をもとに単価が動きます。
つまり、市場が安いときは安く買える。高いときは高くなる。それだけの話です。
メリット
市場が落ち着いているときは、よく効きます
固定単価プランは、電力会社が価格変動のリスクを引き受けています。その分、リスク料が単価に乗っています。
市場連動型は、そのリスクをお客様側が引き受ける代わりに、間に乗るリスク料が小さくなります。市場が安定していれば、固定より安くなる可能性が高いのはそのためです。
使い方によっては、さらに効きます
市場価格は時間帯で変わります。太陽光の発電量が多い昼間は安く、夕方から夜にかけては高くなる傾向があります。
昼間に使用が偏っている会社は、この構造が有利に働きます。
リスク
市場が高騰すると、単価が上がります
これが最大のリスクです。
寒波や猛暑、発電所のトラブル、燃料価格の変動。こういうことが起きると、市場価格は跳ね上がります。そのとき、電気代も上がります。
過去には、市場価格が通常の数十倍まで上がった時期もありました。固定単価プランなら影響を受けないところで、市場連動型は直撃します。
月々の支払額が読みにくくなります
年間で見れば下がっていても、月ごとの金額はブレます。
資金繰りを月単位で組んでいる会社にとっては、このブレ自体がコストになります。「いくら来るか分からない請求書」を毎月受け取ることになるからです。
値動きを気にする負担があります
市場価格をチェックする習慣がない会社だと、「今月は高いのでは」という不安が常につきまといます。この心理的な負担も、実際にはコストです。
向いていない会社を、先に書きます
私が「おすすめしません」とお伝えするのは、こういう会社です。
① 収入が制度や先決めの単価で固定されている
これが一番大きい判断軸です。
介護施設は、介護報酬が制度で決まっています。電気代が上がっても、利用料に転嫁できません。上がった分は、そのまま利益を削ります。
印刷工場も同じ構造です。受注した時点で見積単価が決まっているので、後から原価が動いても価格に反映できません。しかも用紙代もインキ代も上がっている中で、電気代の変動まで乗ると読みが立たなくなります。
この2業種は、私のところの主要なお客様でもあります。それでも、変動を吸収しにくい構造だとお伝えします。その場合は固定単価のプランをご提案します。
② 月々の支払額のブレが、資金繰りの負担になる
売上の変動が大きい会社、手元資金に余裕がない時期の会社は、固定型のほうが安心です。
③ 夕方から夜に使用量が偏っている
市場価格が高くなりやすい時間帯に使用が集中していると、市場連動のメリットが出にくくなります。
これは検針票の時間帯別の内訳を見れば分かります。
向いている会社
逆に、こういう会社は検討する価値があります。
- 昼間に使用が偏っている(太陽光が多い時間帯に安く買える)
- 月々の支払額が多少ブレても、年間で見て判断できる
- 使用量が大きく、単価がわずかに動くだけで年間の金額が大きく変わる
- 市場価格の変動を、経営リスクとして受け止められる
宿泊施設や、昼間稼働の工場は、条件が合うことが多いです。
判断のしかた
「市場連動と固定、どちらがいいですか」と聞かれることがありますが、検針票を見ないと答えられません。
見ているのは、この3つです。
1. 使用量の大きさ — 単価の差が年間いくらの差になるか
2. 時間帯別の使い方 — 昼に偏っているか、夕方以降か
3. その会社の収入構造 — 上がったときに、どこかに逃がせるか
3つ目は、検針票ではなく、お話を伺って判断します。
私のところでは9社を扱っているので、市場連動型も固定型も選べます。どちらかしか扱っていない会社は、どちらかしか勧められません。そこは選択肢がある強みだと思っています。
よくいただくご質問
Q. 市場が高騰したら、上限はありますか
プランによります。上限を設けているものもあれば、ないものもあります。ご提案のときは、そこを含めてご説明します。
Q. 途中で固定型に変えられますか
契約内容によります。契約期間や解約時の条件は、書面でご説明したうえでお選びいただきます。
Q. 結局、どちらが安いのですか
年によって変わります。「必ずこちらが安い」とは言えません。だから、その会社が変動を受け止められるかどうかで選ぶことをおすすめしています。
Q. うちは介護施設ですが、市場連動は絶対に無理ですか
無理ということはありません。ただ、転嫁できない構造なので慎重に、とお伝えしています。判断材料をお出しして、決めていただきます。
このあとの流れ
① 検針票を1枚、メールかLINEでお送りください(撮影1枚でOK。2分ほどで終わります)
② 通常2〜3日ほどで試算をお返しします。この時点でこちらからお電話することはありません
③ 見て検討したい場合だけ、ご連絡ください。お断りのご連絡も不要です
いただいた検針票を電力会社にお渡しするのは、お客様の同意をいただいてからです。試算は無料で、試算後のご契約は任意です(試算だけで費用が発生することはありません)。
業種別のご案内
温泉・ホテルの電気代/印刷工場の電気代/介護施設の電気代
書いた人:株式会社fortuna(でんきの窓口)代表 池内裕亮/札幌/北海道の高圧法人を中心に、電力会社9社を比較した見直しを担当。→ 会社概要
株式会社fortuna(でんきの窓口)は、小売電気事業者9社の販売代理・媒介を行っています。ご提案の際は、契約先となる小売電気事業者名・料金プラン・契約期間・解約時の条件を書面でご説明します。
※記載の内容は2026年度時点の一般的な仕組みの説明です。契約内容や市場状況により結果は異なります。削減をお約束するものではありません。