この記事でわかること
- キュービクルにかかり続けているお金の中身
- 介護施設で「全停電できない」問題
- 保安管理費用は、比較したことがありますか
高圧電力を使うということは、キュービクル(高圧受変電設備)を自分で持つということです。
電力会社が電柱の上でやってくれる変圧を、自前の設備でやっている。その代わりに単価が安く設定されています。
でも、自前で持つということは、お金がかかり続けるということでもあります。ここは、あまり整理して語られません。
キュービクルにかかり続けるお金
① 保安管理費用(毎月・毎年)
キュービクルは自家用電気工作物です。法律上、電気主任技術者を選任する義務があります。
自社に有資格者がいなければ、外部委託になります。保安協会や電気管理技術者に委託して、月次点検と年次点検をしてもらう形です。
年間で十数万円から数十万円。設備の規模と点検頻度によって変わります。
② 年次点検(年1回)
年に1回、停電させて点検します。絶縁抵抗の測定、リレー試験、清掃など。
ここが、あとで書く「止められない施設」の問題につながります。
③ 更新費(15〜20年に一度)
キュービクルには寿命があります。おおむね15〜20年が目安とされています。
更新となると、数百万円の設備投資です。しかも、突然壊れてからでは間に合いません。
介護施設の「全停電できない」問題
年次点検は、キュービクルを停電させて行います。建物全体が止まります。
一般的な事務所なら、休日に半日止めれば済む話です。でも——
介護施設は、止められません
- ナースコール — 止まったら、入居者が呼べません
- エレベーター — 車椅子の方の移動ができなくなります
- 医療機器 — 酸素濃縮器、吸引器など
- 空調 — 真夏・真冬に止めると命に関わります
- 給湯 — 入浴、調理
だから、発電機を持ち込んで、重要な回路だけ生かしながら点検することになります。
これには追加費用がかかります。発電機のレンタル、切替の工事、立ち会いの人手。
「点検の日は毎年憂鬱です」
介護施設の方から、そう聞いたことがあります。
- 何時から何時まで止まるのか
- どの設備を発電機で生かすのか
- 入居者のご家族にどう説明するか
- 職員の配置をどうするか
電気代とは別のところで、毎年コストが発生しているわけです。
保安管理費用は、比較したことがありますか
ここが本題です。
電気主任技術者の外部委託費用は、比較したことがある会社がほとんどいません。
理由は、たぶんこうです。
- キュービクルを設置したときに、施工業者が紹介した先とそのまま契約している
- 毎月・毎年の固定費なので、意識に上らない
- 「保安」という言葉が付くので、価格を交渉するものではないと思っている
でも、保安管理業務は複数の事業者が提供しているサービスです。保安協会もあれば、独立した電気管理技術者もいます。
年間十数万〜数十万円を、何年も同じところに払い続けている。しかも一度も比較していない。
これ、知らないと損しますよ。
ただし、安ければいいものではありません
念のため書いておきます。保安管理は安全に直結します。
点検の質、緊急時の対応の早さ、地理的な距離。ここは価格だけで選ぶものではありません。
「比較したことがない」なら一度見てみる価値がある、という話です。乗り換えるかどうかは別の判断です。
更新のタイミングが近いなら
キュービクルの更新は数百万円の設備投資です。
初期費用をかけずに更新する方法もあります。設備を所有せずに導入する形です。
ただし、注意点が2つあります。
1. 保安の責任は残ります。リースや初期費用0円の形でも、保安規程の届出と電気主任技術者の選任義務は設置者に残ります。「全部おまかせ」にはなりません
2. 「初期費用0円」は、総額が安いという意味ではありません。まとまった出費を後ろに回せる、という意味です
ここを分かったうえで選ぶなら、資金繰りの選択肢としては有効です。
よくいただくご質問
Q. 電気主任技術者は、必ず選任しないといけませんか
自家用電気工作物を設置している以上、必要です。自社に有資格者がいれば選任、いなければ外部委託になります。
Q. 年次点検を省略できませんか
できません。法令に基づく点検です。
Q. 保安管理の会社を変えると、手続きが面倒ですか
保安規程の変更届などが必要になります。ただ、新しい委託先が手続きを案内してくれることがほとんどです。
Q. fortunaで保安管理も頼めますか
私のところでは保安管理業務そのものは行っていません。「比較したことがないなら見てみたほうがいい」という情報提供までです。
Q. キュービクルの更新費用の相談はできますか
設備の内容を伺ったうえで、初期費用をかけずに導入する方法をご案内できる場合があります。
このあとの流れ
電気の契約については、こちらでお手伝いできます。
① 検針票を1枚、メールかLINEでお送りください(撮影1枚でOK。2分ほどで終わります)
② 通常2〜3日ほどで試算をお返しします。この時点でこちらからお電話することはありません
③ 見て検討したい場合だけ、ご連絡ください。お断りのご連絡も不要です
いただいた検針票を電力会社にお渡しするのは、お客様の同意をいただいてからです。試算は無料で、試算後のご契約は任意です(試算だけで費用が発生することはありません)。
業種別のご案内
温泉・ホテルの電気代/印刷工場の電気代/介護施設の電気代
書いた人:株式会社fortuna(でんきの窓口)代表 池内裕亮/札幌/北海道の高圧法人を中心に、電力会社9社を比較した見直しを担当。→ 会社概要
株式会社fortuna(でんきの窓口)は、小売電気事業者9社の販売代理・媒介を行っています。ご提案の際は、契約先となる小売電気事業者名・料金プラン・契約期間・解約時の条件を書面でご説明します。
※記載の費用は2026年度時点の一般的な目安です。設備の規模・点検頻度・契約内容により異なります。削減をお約束するものではありません。