この記事でわかること

  • 高圧と低圧は何が違うのか
  • 高圧の電気代がどう決まっているのか(基本料金と従量料金)
  • 切り替えで変わること・変わらないこと

「うちは高圧だから」と言われることがあります。でも、その高圧が何を指していて、なぜ電気代の話になると重要なのか。そこまで説明を受けたことがある方は、意外と少ないんじゃないでしょうか。

これ、知らないと損しますよ。仕組みが分かっていれば、営業を受けたときに「それは本当に自社に合っているのか」を自分で判断できるようになります。

高圧と低圧は、届く電気の「電圧」が違う

発電所でつくられた電気は、とても高い電圧のまま送られてきます。そのままでは使えないので、どこかで電圧を下げる必要があります。この「どこで下げるか」が、高圧と低圧の分かれ目です。

低圧は、電力会社が電柱の上にある変圧器(トランス)で電圧を下げてから、建物に届けてくれます。一般家庭や小さな店舗はこちらです。

高圧は、6,600Vのまま建物まで届きます。電圧を下げるのは、その建物の敷地内にあるキュービクルという設備です。つまり、変圧を自前でやっている状態です。

50kW以上でおおむね高圧、2,000kWを超えると特別高圧という別の区分になります。ホテルや旅館、印刷工場、介護施設のほとんどは高圧の範囲に収まります。

ただし規模によっては低圧のままの施設もあります。検針票に「高圧」または「契約電力(kW)」の記載があるかどうかが目印です。低圧でも比較はできますので、遠慮なくどうぞ。

なぜ高圧のほうが、電気の単価は安いのか

自前で変圧設備を持ち、点検も自分たちの負担で行う。その代わりに、電力会社は変圧の手間が省ける。だから単価が安く設定されています。

ただし、単価が安いことと、電気代が安いことは別の話です。

高圧の会社は使用量そのものが大きいので、単価がわずかに違うだけで、年間の金額は大きく変わります。たとえば月3万kWh使っている施設なら、1kWhあたり1円の差で年間36万円。月10万kWh規模の工場なら年間120万円です。単価がわずかに動くだけで金額が大きく動く、というイメージです(実際の差額は契約内容によります)。

高圧をお使いなら、20年前から選べました

意外と知られていないのですが、電力の自由化は段階的に進みました。

大規模な需要家が2000年、高圧(50kW以上)が2004〜2005年、そして2016年に一般家庭まで含めて全面自由化されています。

つまり、高圧をお使いの会社は、実はもう20年前から電力会社を選べる状態でした。それでも一度も比較したことがない、という会社が今もかなりあります。

高圧の電気代は、2つに分かれている

高圧の請求書は、大きく2つの要素でできています。

基本料金(契約電力で決まる部分)

高圧(500kW未満)の契約電力は実量制といって、当月を含む過去12か月のうち、最も大きかった30分間の平均使用電力(デマンド値)で決まります。

ここは誤解されやすいところなので、丁寧に書きます。

  • 瞬間的に跳ねただけでは上がりません。30分ならして高い状態が続いたときに更新されます
  • 今月ピークを削っても、それより高い山が過去12か月に残っている間は下がりません。効いてくるまで時間がかかる分、早く着手したほうがいい話です
  • 逆に言うと、一度大きな山をつくると、1年間その基本料金を払い続けることになります

(契約電力が500kW以上の場合は、電力会社との協議で決めるので考え方が変わります)

従量料金(使った量に応じる部分)

実際に使った電力量に応じてかかります。ここに燃料費調整額が乗ります。

なお、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は別建ての請求項目で、単価は全国一律です。電力会社を変えても1円も変わりません。「切り替えれば賦課金も安くなる」ということはないので、そこは分けて考えてください。

どこに余地があるかは、会社によって違います

24時間ほぼ一定で使っている介護施設と、恒温恒湿で底も高いうえに生産で山が出る印刷工場では、効く手が変わります。

だから「一律にこのプランがおすすめです」とは、私は言いません。検針票を見せていただいて、使い方の形を見てから、どこに余地があるかをお伝えするようにしています。

切り替えても、変わらないこと

送配電の設備は、切り替えたあとも北海道電力ネットワークが引き続き担います。ですから、送配電に起因する停電のしやすさは変わりません。

一方で、小売の会社側の事情で供給が続けられなくなるケースはゼロではありません。その場合も電気が止まることはなく、最終保障供給という受け皿に切り替わりますが、料金は割高になります。だからこそ、どの会社と契約するかは見ておいたほうがいいんです。私が9社を比較しているのは、そこも含めて選んでいただくためです。

よくいただくご質問

Q. 高圧と低圧の境目は何kWですか

おおむね50kW以上が高圧です。2,000kWを超えると特別高圧という別の区分になります。検針票の「契約電力(kW)」の記載が目印です。

Q. 切り替えに工事は必要ですか

不要です。キュービクルにも設備にも手を入れません。書類の手続きだけです。

Q. 毎月必ず下がりますか

市場連動型のプランの場合、市場が高い月は切り替え前より高くなることがあります。年間で見てどうか、という話としてご説明します。変動を避けたい場合は固定型もあります。

Q. 診断だけお願いできますか

もちろんです。見て、余地がなければ「今のままがいいですよ」とお伝えします。実際、そう申し上げることもあります。


なお、私が扱っているプランには、市場価格に連動するタイプもあります。市場が落ち着いているときはよく効きますが、高騰したときは単価が上がります。値動きを読めないことそのものが負担になる会社には向きません。固定型を選ぶこともできますので、向き不向きは「市場連動プランのメリットとリスク」でお話ししています。


このあとの流れ

① 検針票を1枚、メールかLINEでお送りください(撮影1枚でOK。2分ほどで終わります)
② 通常2〜3日ほどで試算をお返しします。この時点でこちらからお電話することはありません
③ 見て検討したい場合だけ、ご連絡ください。お断りのご連絡も不要です

いただいた検針票を電力会社にお渡しするのは、お客様の同意をいただいてからです。試算は無料で、試算後のご契約は任意です(試算だけで費用が発生することはありません)。

お問い合わせはこちら LINEで相談する


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書いた人:株式会社fortuna(でんきの窓口)代表 池内裕亮/札幌/北海道の高圧法人を中心に、電力会社9社を比較した見直しを担当。→ 会社概要

株式会社fortuna(でんきの窓口)は、小売電気事業者9社の販売代理・媒介を行っています。ご提案の際は、契約先となる小売電気事業者名・料金プラン・契約期間・解約時の条件を書面でご説明します。

※記載の内容は2026年度時点の一般的な仕組みの説明です。契約内容や設備の状況により結果は異なります。削減をお約束するものではありません。