この記事でわかること

  • 検針票のどこを見れば、削減の余地が分かるか
  • 「触るところがない」と判断できるのはどんなときか
  • 見るべき4つの項目

私が「まずは検針票を1枚見せてください」と繰り返しお願いするのは、ここに判断材料が全部載っているからです。

高圧の検針票(電気ご使用量のお知らせ)には、低圧より詳しい情報が書かれています。順番に見ていきます。

これ、自分で読めるようになると、営業を受けたときに「それは本当か」を自分で判断できるようになりますよ。


① 契約電力(kW)

まず、ここです。

「契約電力」または「契約kW」という欄があるかどうか。あれば高圧です。50kW以上でおおむね高圧、2,000kWを超えると特別高圧という別の区分になります。

規模によっては低圧のままの施設もあります。低圧でも比較はできますので、なければないで問題ありません。

この数字が、基本料金を決めています。大きいほど基本料金が高くなります。


② 最大需要電力(デマンド値)

契約電力のすぐ近くに、「最大需要電力」「デマンド」といった欄があるはずです。

高圧(500kW未満)の契約電力は実量制といって、当月を含む過去12か月のうち、最も大きかった30分間の平均使用電力(デマンド値)で決まります。

つまり、ここに出ている数字が今月のデマンドで、過去12か月分のうち一番大きいものが、いまの契約電力になっているわけです。

見るポイント

毎月の検針票を並べて、どの月にピークが出ているかを確認してください。

  • 印刷工場なら、繁忙期の夜間
  • 介護施設なら、猛暑日と入浴日が重なった日
  • 宿泊施設なら、満室日の夕方

心当たりのある月に山が立っていれば、そこが削減の候補になります。

ただし、今月ピークを削っても、それより高い山が過去12か月に残っている間は基本料金は下がりません。効いてくるまで時間がかかる分、早く着手したほうがいい話です。

(契約電力が500kW以上の場合は、電力会社との協議で決めるので考え方が変わります)


③ 力率(%)

「力率」という欄があります。ここは一発で判断できるところです。

力率が上がると、基本料金が割り引かれます。基準力率85%に対して1%ごとに1%、上限は最大15%です。

判断のしかた

  • 98%以上ここは触るところがありません。改善余地はゼロです
  • 85%を下回っている → 進相コンデンサの故障や容量不足を疑ったほうがいいです

キュービクルを持っている会社の多くは、すでに進相コンデンサが入っていて98〜100%になっています。なので、たいていは「余地なし」という結論になります。

それでも見る価値があるのは、古い工場で進相コンデンサが劣化・焼損しているケースがあるからです。設置したときから設備が入れ替わっていて、容量が合っていないこともあります。

「余地がありません」と申し上げられるのも、見てみないと分からないことです。


④ 使用電力量(kWh)と、時間帯別の内訳

「使用電力量」が、その月に使った量です。ここが従量料金の元になります。

高圧の場合、時間帯別の内訳(昼間・夜間・ピーク時間など)が出ていることがあります。ここが実は重要です。

なぜ時間帯を見るのか

市場連動プランが向くかどうかの判断に、直結するからです。

市場価格は時間帯で変わります。太陽光の発電量が多い昼間は安く、夕方から夜にかけて高くなる傾向があります。

  • 昼間に偏っている → 市場連動が有利に働きやすい
  • 夕方以降に偏っている → 市場連動のメリットが出にくい

ここを見ずに「市場連動がおすすめです」と言う営業は、中身を見ていないということです。


ついでに見ておきたい|請求の内訳

金額の欄に、こういう項目が並んでいるはずです。

項目変えられるか
基本料金○(契約電力・力率で変わる)
電力量料金○(単価が変わる)
燃料費調整額△(プランによる)
再エネ発電促進賦課金×(全国一律。電力会社を変えても1円も変わりません)

再エネ賦課金だけは、どこと契約しても同じ金額です。「切り替えれば賦課金も安くなる」ということはないので、そこは分けて考えてください。


まとめ|この順番で見ています

1. 契約電力 — 高圧か低圧か、基本料金の大きさ
2. 最大需要電力 — どの月に山が立っているか
3. 力率 — 98%以上なら触らない。85%未満なら要確認
4. 時間帯別の使用量 — 市場連動が向くかどうか

この4つを見れば、削減の余地がどこにありそうか、だいたい見えます。

見た結果、余地がなければ「今のままがいいですよ」とお伝えします。実際、そう申し上げることもあります。


よくいただくご質問

Q. 検針票が手元にありません

電力会社のWEB明細でも構いません。契約電力・使用量・力率が分かるものであれば大丈夫です。

Q. 何か月分いりますか

1枚あれば試算はできます。ただ、12か月分あるとデマンドの山がどこに出ているか分かるので、より正確になります。あればお送りください。

Q. 検針票を送ったあと、どうなりますか

通常2〜3日ほどで試算をお返しします。この時点でこちらからお電話することはありません。

Q. 送った検針票は、電力会社に渡るのですか

お客様の同意をいただいてからです。同意なくお渡しすることはありません。


なお、私が扱っているプランには、市場価格に連動するタイプもあります。市場が落ち着いているときはよく効きますが、高騰したときは単価が上がります。値動きを読めないことそのものが負担になる会社には向きません。固定型を選ぶこともできますので、向き不向きは「市場連動プランのメリットとリスク」でお話ししています。


このあとの流れ

① 検針票を1枚、メールかLINEでお送りください(撮影1枚でOK。2分ほどで終わります)
② 通常2〜3日ほどで試算をお返しします。この時点でこちらからお電話することはありません
③ 見て検討したい場合だけ、ご連絡ください。お断りのご連絡も不要です

試算は無料で、試算後のご契約は任意です(試算だけで費用が発生することはありません)。

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書いた人:株式会社fortuna(でんきの窓口)代表 池内裕亮/札幌/北海道の高圧法人を中心に、電力会社9社を比較した見直しを担当。→ 会社概要

株式会社fortuna(でんきの窓口)は、小売電気事業者9社の販売代理・媒介を行っています。ご提案の際は、契約先となる小売電気事業者名・料金プラン・契約期間・解約時の条件を書面でご説明します。

※記載の内容は2026年度時点の一般的な仕組みの説明です。契約内容や設備の状況により結果は異なります。削減をお約束するものではありません。