この記事でわかること
- 宿泊施設の広告費で、一番大きいのはOTA手数料だということ
- 「減らす」と「変える」の違い
- エリアを絞った広告という選択肢
広告費は、削ると売上が落ちる費用です。だから「減らせ」とは言いません。見るべきは、かけた分がちゃんと集客になっているかです。
北海道の30部屋以内の宿で、広告費の中身を伺うと、だいたい同じ構図になります。
宿の広告費で、一番大きいのはOTA手数料です
チラシや看板ではありません。予約サイト(OTA)に払っている手数料です。
OTAの手数料は、一般に宿泊料金の1割前後〜15%程度です。これにポイント原資やクーポンの負担が乗ることがあります。月の売上が1,500万円で、その5割がOTA経由なら、手数料はざっくり月75万〜110万円。年間で900万〜1,300万円という金額になります(あくまで一例です。料率・比率は施設により異なります)。
これは経費の項目としては「広告宣伝費」や「販売手数料」に入っていて、電気代より大きいことが珍しくありません。
OTAが悪いわけではありません
OTAは集客力があります。自社で同じ集客をしようとしたら、もっとお金がかかります。問題は、OTA経由の比率が高すぎて、手数料が利益を圧迫している状態です。
「減らす」と「変える」の違い
減らす
OTAへの出稿を減らす、広告予算を削る。短期的には利益が出ますが、予約が減れば元に戻します。 結局、削っては戻すを繰り返す。
変える
同じ金額を、手数料のかからない集客に移す。
- リピーターに直接予約してもらう仕組み(直販の予約サイト、LINE、メール)
- 直販だけの特典(手数料分の一部を、お客様に還元する)
- 一度泊まった人に、次も来てもらう導線
OTA経由の予約の1割が直販に移ると、その分の手数料が浮きます。 上の例なら、年間90万〜130万円が目安です(一例です)。ただし直販にも予約システムの利用料・決済手数料・直販特典で還元する分がかかるので、手元に残るのはその半分〜7割程度と見ておくと現実に近いです。
エリアを絞った広告という選択肢
もう一つ、広告の「配る先」を変える方法があります。
これまでの広告は、広く配って一部に届く形でした。いまは、特定の場所にいる人・特定のサイトを見た人だけに配る広告があります。
| 種類 | 何ができるか | 宿で使うなら |
|---|---|---|
| 位置情報を使った広告 | 指定した場所にいた人・住んでいる人に配信 | 札幌市内の特定エリア、空港、競合施設の周辺 |
| サイト訪問者への広告 | 特定のサイトを見た人に配信 | 自社サイトを見て予約しなかった人への再アプローチ |
| SNS運用 | 継続的な発信で、指名で来てもらう | 温泉・食事・季節の写真で、指名予約を増やす |
無駄に広く配らない分、同じ予算でも届く相手が変わります。 ただし、運用には知識と手間が要ります。
私のところでは、SNS運用・位置情報広告・サイト訪問者向け広告を扱う提携先があります。広告は私の専門ではないので、提携先から直接ご説明する形になります。効果は施設・予算・時期により異なり、お約束はできません。
見直す順番
1. いまの広告費の内訳を出す(OTA手数料/旅行会社の送客手数料/自社サイト/紙媒体/SNS)
2. OTA経由と直販の比率を出す
3. 直販を増やす仕組みがあるか確認する
4. そのうえで、配り先を変える広告を試すか判断する
順番はこれです。3を飛ばして4に行くと、広告で来たお客様がまたOTAで予約して、手数料を払い続けることになります。
電気の話に戻ると
宿の経費は、人件費が一番大きく、次に食材費・燃料費(「ガス・水道の見直し」)・OTA手数料が続き、電気はそのあとです(順序は施設によります)。電気が一番ではありません。 宿の電気のどこが大きいかは「北海道の温泉・ホテル・旅館の電気代」に、経費全体の順番は「会社の経費、どこから見直すか」にまとめてあります。
それでも電気を最初に勧めるのは、判断が一番軽いからです。検針票1枚で試算が出て、下がるなら切り替え、下がらないなら今のまま。広告の見直しは、そのあとで構いません。
よくいただくご質問
Q. OTAをやめたほうがいいですか
いいえ。新規のお客様はOTAや旅行会社経由で来ます。旅行会社の送客手数料も同じ性質の費用なので、内訳を出すときは一緒に並べてください。やめるのではなく、2回目以降を直販に移すのが現実的です。
Q. 直販の予約サイトは費用がかかりますか
宿泊予約システムは月額1〜3万円程度のものが多く、OTAと在庫を同期するサイトコントローラーを併用している宿がほとんどです。すでに入っているなら、直販ページへの導線ができているかを先に見ます。
Q. 位置情報広告は、どのくらいの予算から始められますか
提携先によりますが、月数万円から試せるものがあります。最初は小さく試して、反応を見てから増やすのが基本です。
Q. 広告の相談だけでもできますか
できます。ただし広告は提携先の領域なので、私が直接運用するわけではありません。課題を伺って、提携先におつなぎします。
なお、私が扱っているプランには、市場価格に連動するタイプもあります。市場が落ち着いているときはよく効きますが、高騰したときは単価が上がります。値動きを読めないことそのものが負担になる会社には向きません。固定型を選ぶこともできますので、向き不向きは「市場連動プランのメリットとリスク」でお話ししています。
このあとの流れ
電気については、こちらでお手伝いできます。
① 検針票を1枚、メールかLINEでお送りください(撮影1枚でOK。2分ほどで終わります)
② 通常2〜3日ほどで試算をお返しします。この時点でこちらからお電話することはありません
③ 見て検討したい場合だけ、ご連絡ください。お断りのご連絡も不要です
いただいた検針票を電力会社にお渡しするのは、お客様の同意をいただいてからです。試算は無料で、試算後のご契約は任意です(試算だけで費用が発生することはありません)。
詳しくは北海道の温泉・ホテルの電気代を見直すもご覧ください。
業種別のご案内
温泉・ホテルの電気代/印刷工場の電気代/介護施設の電気代
書いた人:株式会社fortuna(でんきの窓口)代表 池内裕亮/札幌/北海道の高圧法人を中心に、電力会社23社を扱い(高圧で比較できるのは7社)、電気代の見直しを担当。→ 会社概要
株式会社fortuna(でんきの窓口)は、小売電気事業者23社の販売代理・媒介を行っています。ご提案の際は、契約先となる小売電気事業者名・料金プラン・契約期間・解約時の条件を書面でご説明します。
※記載の金額例は一例です。料率・比率・効果は施設・契約・時期により異なります。集客や削減をお約束するものではありません。